※このページでは強迫性障害について一般的な情報をご紹介しています。実際の診断や治療は、診察でお話を伺ったうえで医師が判断いたします。気になる症状がある方は、お気軽にご相談ください。
強迫性障害(強迫症)とは

強迫性障害は、自分でも「気にしすぎ」「必要ない」と分かっていても、不安を伴う考えが頭から離れず、それを打ち消すための行動を繰り返してしまう疾患で、単なるきれい好きや几帳面な性格とは異なります。
従来は「強迫性障害」という名称が広く用いられてきましたが、現在の診断分類や医学用語では、英語のObsessive-Compulsive Disorder(OCD)に対応する名称として、主に「強迫症」が用いられるようになっています。
成人のおよそ40人に1人にみられる、決して珍しくない疾患とされていますが、思春期後半から成人期の初期に発症しやすいものの、小児期や成人後に症状が始まることもあります。
強迫性障害の症状
強迫症の中心となる症状には、「強迫観念」と「強迫行為」があります。
強迫観念によって不安や不快感が高まり、それを和らげるために強迫行為を行うという関係になっていることが一般的です。
強迫行為をすると一時的には安心できますが、時間がたつと再び不安が生じます。
これを繰り返すうちに、確認や洗浄をしなければ不安に耐えられなくなり、症状が強くなっていくことがあります。
強迫観念
強迫観念とは、本人が望んでいないにもかかわらず、繰り返し頭に浮かび、強い不安や苦痛を引き起こす考え、イメージ、衝動などです。
代表的な強迫観念には、次のようなものがあります。
- 細菌や汚れへの恐怖
- ドアノブやつり革に触れると疾患になる気がする
- 鍵や火元を確認し忘れた不安
- 誰かを傷つけたのではないかという不安
- 火の不始末で火事を起こすのではないかという不安
- 物の順序や左右対称への強いこだわり
- 特定の数字や回数でなければ不安になる
- 人前で不適切な言葉を叫ぶのではないかと心配する
- 自分の価値観に反する攻撃的・性的な考え
強迫行為
強迫行為とは、強迫観念による不安や苦痛を減らしたり、恐れている出来事を防いだりするために、繰り返し行う行動や頭の中での作業です。
代表的な強迫行為には、次のようなものがあります。
- 何度も手を洗う
- 家族にも過度な手洗いや着替えを求める
- 鍵や火元を繰り返し確認する
- 人を傷つけていないか確かめる
- メールや書類を何度も見直す
- 物を一定の位置に並べ直す
- 頭の中で決まった言葉や数字を繰り返す
強迫性障害の原因
原因は完全には解明されていませんが、危険や間違いを察知し、行動を確認・修正する脳の回路が過剰に働いている可能性や、セロトニンなどの神経伝達物質の働き、遺伝的な要因、ストレス、学習などが複合的に関係すると考えられています。
就職、結婚、妊娠・出産、感染症への不安、過労などをきっかけに症状が現れたり悪化したりする場合もあります。
強迫性障害の治療
強迫症の代表的な治療は、薬物療法と認知行動療法です。
治療では、不安があっても強迫行為を繰り返さず、仕事、家事、学業、人付き合いなど、患者さんが大切にしている生活を取り戻すことを目指します。